株と資格試験の関係性はネオ

中小企業診断士受験4年目。深くない知識で株を分析するネオな感じのブログ。

平成25年事例Ⅲ

事例Ⅲなので、QCD+4Mを意識して、欠けているところを埋めてやればよい。しかし、まずはSWOT分析と理念、方針を踏まえた全体戦略を明確にすることだなとか思いながら設問から読む。

第1問(40点) C社では、横ばいで推移している業績を改善するためX社のシェアが高い首都圏市場への参入を目指している。この課題について、以下の設問に答えよ。

 (1)C社が主著権市場への参入で活用すべき競争優位性は何か、60字以内で述べよ。

 (2)C社が首都圏市場への参入を実現するためには、関東工場の役割をどのように変えるべきなのか、またそれを実現するためにはどのような具体的対応策が必要となるのか、120字以内で述べよ。

同製品、新市場進出戦略。(1)X社に対抗できるS(強み)。(2)関東工場の役割。

第2問(30点) C社では、顧客からの問い合わせに迅速に対応するため、また、短納期化に対応するため、技術部ないの情報の共有かや業務の効率化を図る計画がある。この計画について、以下の設問に答えよ。

 (1)技術部内で共有かが必要と考える具体的情報を80字以内であげよ。

 (2)技術部内の業務効率化を図るために必要な具体的改善内容を120字以内で述べよ。

目的

①問い合わせに迅速に答える

②D(納期)を短縮化する

(1)具体的共有情報、(2)業務効率化のための改善策、改善策なので現状と対比して書いた方がわかりやすい。

第3問(30点) C社経営者は、これまで蓄積した生産技術のノウハウを活用し、通信用部材市場以外での新規事業開発を模索している。過去に経験したY社との共同開発事業の失敗の原因と、その失敗の要因を踏まえた今後の新規事業開発の留意点を、140字以内で述べよ。

新規事業開発・・体内体制と体外体制の整備が必要。

過去の失敗とは・・

【C社の概要】

 C社は、関西地方に本社を置き、地元関西や中部地方などを主な販売エリアとして、通信事業者などの通信施設で使用される配線用ケーブル支持器具、通信機器設置台など金属製の通信施設用部材(以下、「通信用部材」という。)を生産、据付する企業である。資本金は3,600万円、従業員数は95名、最近の年間売上高は約25億円前後で推移している。会社組織には受注、設計および据付業務を担当する技術部、関西本社工場および関東工場での製造・物流を担当する製造部、新製品開発を担当する開発部、経理および総務業務を担当する総務部がある。なお、技術部は本社のほか、中部支店と東京支店に配置されている。

関西本社:①技術部(受注、設計、据え付け業務)②関西工場製造部(製造、物流)、③開発部(新製品開発)、④総務部

中部支店:①技術部(受注、設計、据え付け業務)

東京支店:①技術部(受注、設計、据え付け業務)②関西工場製造部(製造、物流)

新製品開発は関西でやっている。

 通信事業者が通信施設の新設や改修などの工事を行う場合、通信事業者側が企画し、通信建設会社が施工を請け負う。C社はこの通信建設会社から受注する。

通信事業者→通信建設会社→C社

 C社は、創業以来、通信建設会社の指導を受け、通信用部材事業における品質を確保するために製品の標準化や据付け施工面での保安対策技術の習得に務めた。また、製品開発力を武器に営業活動を展開し、業績の拡大とともに中部支店を開設した。さらにそれまで付き合いのあった通信建設会社の勧めで、新たな通信事業者の開拓を目指し東京支店を開設している。

S(強み):品質の確保、製品の標準化、据え付け施工の保安対策技術、

製品開発力、営業力

【市場の概要】

 通信事業者が必要とする通信用部材の市場規模は小さい。この市場でC社は、同業者約10社と競合状態にあり、第2位のシェアを確保している。市場シェア第1位企業X社の販売エリアは首都圏中心である。X社と比較して、新製品開発力・提案力、製品・施工品質についてはC社の評価は高いが、納期や価格面での評価は低い。

競合X社:首都圏中心(納期、価格面で優れている)

C社のS:新製品開発力・提案力、製品・施工品質

 通信機器は、技術革新によって高速化やダウンサイジング化が進み、通信施設も省スペース化が進む通信機器に対応した新製品の提案が求められ、さらに、低価格化や工事期間の短縮などの要求が厳しい。C社では、開発部を中心にダウンサイジング化が進む通信機器に対応した通信用部材の開発を行い、通信事業者や通信建設会社へ提案し、新規取引先を獲得する営業展開を進めてきており、今後も強化する方針である。

提案力、低価格化、工事期間の短縮が求められる。

C社は提案力で新規顧客開拓に成功している。

【C社の生産概要】

 C社が受注する通信用部材は、施工図面で指示されるが、2種類の部材の組み合わせで構成される。1つは通信事業者ごとに寸法、形状が規格化されている標準仕様部材、もう1つは通信施設の大きさ、建物への設置条件、使用する通信機器などにあわせて製造する補助部材である。

製品

①標準仕様部材

②補助部材:特殊品

 営業活動は、経営者の通信建設会社へのトップセールスによる受注情報の収集が基本である。受注後は、対象通信施設の現地調査、設計、製造、そして現場据付け施工まで行う。

営業活動:トップセールス(企業の社長自ら自社製品の特長や優秀性を宣伝し、積極的にセールスを行うこと。)・・提案営業をしているのは、社長だけ?

 受注、現地調査、設計は技術部内で受注物件ごとに専任された設計担当者が担当し、通信施設での調整事項や設計変更などの内容は担当している設計担当者しか分からない。設計業務にはCADが使われているが、部品のような設計要素のライブラリー化などは行われていない。また、技術部としてCADの使用方法についての標準化やデータの共有かは図られておらず、設計担当者各自がそれぞれ独自に使用している。このような設計担当者の業務状況のため、受注から据付施工官僚までの全期間に占める設計担当業務には大きな時間が割かれている。

受注後

受注、現地調査、設計:担当者しかわからない。→問い合わせ対応が遅れる。

CAD:部品化など設計要素のライブラリー化ができていない→設計要素の再利用ができず効率が悪い。

 各部材製造については、関西本社工場では多品種少量の受注生産の補助部材を担当し、関東工場では在庫対応が可能でロットサイズを大きくできる標準仕様部材を担当している。関西本社工場は汎用加工機を用いた多品種少量生産に適しているが、関東工場は後述する経緯があってOAフロア工場として建設されたことから専用機による量産体制であるため、このような両工場の分担となっている。

関西本社工場:補助部材(多品種少量)→①在庫対応ができない。

関東工場:標準仕様部材→①専用機で生産、②在庫対応ができる。

 部材の物流については、関西本社工場に物流センターがあり製造部が担当している。関東工場で製造された製品は、関西本社工場にある物流センターに運ばれそこで在庫となり、両工場で製造されたものを物件ごとに組み合わせて出荷する。

関西本社工場:物流センター(製造部)

関東工場→関西物流センター→関東の顧客へ(納期が遅い)課題

【通信用部材以外の新製品開発】

 C社では、通信用部材以外の新製品開発にも積極的に取り組んできた。開発部では取引先、仕入先など関連企業からの依頼や情報提供に応じて、また社内からの提案に応じて新製品企画・開発を行っている。

開発部(関西):取引先、仕入先、社内→新製品開発(ここに問題?)

 その取り組みとして、過去に大手建材メーカーY社からの提案で、Y社の建材メーカーとしてのノウハウとC社の通信用部材のノウハウを活用し、新製品として施工性がよく多機能なオフィス用OAフロアを事業化した経験がある。OAフロアとは、コンピュータなどの多くの配線を床下配線可能な状態にするために床を二重化するものである。全国に販売拠点を持ち多くの建設会社と取引関係にあるY社は、ビル工事を施工する建設会社からOAフロアの引き合いがあった場合、他メーカーから商品を仕入れて受注していたが、当時引き合いが多くなったことから自社ブランド製品化を進めるためにC社への共同開発の提案を行ったものである。

Y社:OAフロアを販売

C社はY社と共同開発、OEM提供(C社は提案営業力が活かせない)

 北関東にOAフロア量産の関東工場をC社が建設して製造し、Y社の物流センターへ納品する契約をした。Y社では物流センターに在庫し即納体制を整え、全国にある販売網を利用して建設会社に営業展開した。しかし、ビル完成後にIT機器等を納品する事務機メーカーのシンプルな機能で軽量化された低価格製品と競合し、Y社の販売数量が低迷したため、C社はこの事業から撤退した。

Y社:物流センターに在庫、即納体制、全国への販売網へ営業展開

価格競争に負け、撤退。(過去の失敗)

 その他C社開発部では、通信用部材以外の新製品開発を多く手掛けてきたが、現在まで大きな成功例はなく推移している。

設問(1)(自分)

活用すべき競争優位性は、①通信用部材の現地調査から施工までの一括受注ができる、②新製品の開発力・提案力がある。

設問(1)(先生)

用すべき競争優位性は、①ダウンサイジングに対応した機器の開発力とその提案力がある、②製品、施工品質が高く、評価も高い。

 

品質という言葉を入れると完璧だったが、提案力がキーワードでありこれが入っていれば良い。この事例のテーマは「関東攻略~営業体制と短納期体制を実現せよ~」である。失敗ばかりするのは、全国展開にもかかわらず、営業部もなく、営業は社長だけがやっていることで、新製品が良くても顧客に伝える仕組みがないことである。提案力が強みなのに営業部がないのがそもそも変である。

 

設問(2)(自分)

関東工場の役割は、現在の専用機による標準仕様部材を生産し関西に配送する役割から、補助部材を関西から輸送して組み立てる役割とそれを在庫し即納できる物流センターの役割を担う体制へと変化させる必要がある。

 

設問(2)(先生)

 関東工場の役割は、関東県での受注に対して短納期体制を構築すること。具体的対応は、①汎用設備を導入し、多品種少量生産を可能とし、標準品の生産と合わせて両者を供給する。②在庫機能を持たせ、関東圏の物流センターとしての役割を担えるようにすること。

 短納期体制の構築。よって、汎用設備の導入、多品種少量生産、組み立て、在庫、物流センターの組み合わせが必要。関東進出戦略に投資は必要。(自分)の解答は、補助部材は在庫できない。受注ごとに異なる製品なので関西からの輸送に時間がかかり、さらに在庫していては他社に後手を踏むことになる。これはだめだ。

第3問(自分)

Y社との共同開発事業の失敗要因は、市場調査が不十分だったことである。よって今後の新規事業開発での留意点は、市場調査(市場規模・成長性・ユーザーニーズ・競合他社など)を十分に踏まえた上で事業計画を立てる。また、取引先を拡大してリスクを分散すること、内部体制を柔軟な体制にしておくことなどが必要である。

第3問(先生)

共同開発事業の失敗要因は、Y社が販売を担当したため、C社の強みである開発力や提案力が発揮できず、C社のブランド化もできなかったため、軽量化された低価格品と競合したからである。従って新規事業開発の留意点は、自社の強みである開発力と提案力が発揮できる営業体制を構築することである。

取引先や仕入先、社内まで情報収集しており、ニーズは十分に踏まえられていると考えられる。また、取引先の拡大が新製品の開発・販売に結びついていない問題点と論点がずれている。焦りで事例を無視した知識だけで解答した悪い例のような解答をしてしまった。大外しである。第1問の強みもへったくれもない解答をしている。

提案営業を自社で行う体制、つまり、関西、中部、関東に営業部を設置し、社長のような営業マンを置かなければいけない。提案営業が強みでありながら、営業マンが社長だけというなぞはここで解決すればよかったのである。

以上、試験受験後すぐの自己採点50点に対し、C判定。納得!冷静になれば十分解けるが、焦りと事例Ⅰ、事例Ⅱをひきずって興奮状態であったことが敗因。まこと残念である。